“ERX”とは？株価や構成銘柄などわかりやすく説明！【エネルギーセクター】

このようなお悩みを解決します。

ERXはアメリカのDirexion社が運用するETFで、米国のエネルギー・セレクト・セクター指数に組み込まれている21銘柄で構成されています。

この記事では、ERXに投資するうえで知っておきたい基礎情報について、構成銘柄・ベンチマーク・配当利回りを踏まえて丁寧に解説します。

ERXとは？

ERXとは、米国のレバレッジ型ETFでエネルギー・セレクト・セクター指数をベンチマークとしたレバレッジ2倍ETFです。

【それってなんなの？】
　※ETF …「Exchange Traded Funds」上場投資信託の略。多数の株式銘柄で構成される投資信託を上場させ通常の株式のように取引できるようにしたもの。分散投資効果が得られる。様々な投資コンセプトの商品がある。
　※レバレッジ型ETF … ベンチマークした指数やETFの日次変動率にレバレッジを掛けた値動きをするよう調整したETF。レバレッジ2倍もしくは3倍を掛けた商品が多い。一般的に通常のETFと比べて逓減リスクがあり早期償還リスクが高まる。

　

まずはERXの基本情報です。

	ERXの基本情報
名称	Direxion Daily Energy Bull 2X Shares
運用会社	Direxion
ベンチマーク	Energy Select I Sectpr Index , XLE
経費率	0.95%
総資産額	4.67億ドル
設定日	2008年11月6日
取扱証券会社	SBI証券、DMM株、松井証券、マネックス証券、楽天証券

ERXはレバレッジ・インバース型のETFを主力とするDirexion社によって運用されています。

ERXのほかにも、SPXL（S&P500指数のレバ3倍）やSOXL（ICE半導体指数のレバ3倍）などのレバレッジETFを運用しています。

純資産額を見ると約5億ドルです。
設定日は2008年11月6日となっており、SPXLと1日違いです。
レバレッジETFの中では比較的長い運用期間となっています。

2020年4月1日にレバレッジ比率が変更され、3倍から2倍になりました。
コロナによる株価総下落により運用上のリスク軽減だと思われます。

レバレッジETFということで0.95%と比較的高い経費率になっています。

　

ERXの構成銘柄

ERXの構成銘柄です。
レバレッジをかけるための担保となる債権の銘柄が追加で組み入れられています。　

ティッカーシンボル	企業名	組み入れ比率[%]
DGCXX	Dreyfus Government Cash Mana	10.88
XOM	エクソンモービル	7.98
CVX	シェブロン	6.67
FGTXX	Goldman Sachs Financial Square Government Fund	1.71
COP	コノコフィリップス	1.59
SLB	シュルンベルジェ	1.58
PXD	パイオニア・ナチュラル・リソーシズ	1.58
EOG	EOGシリーズ	1.53
MPC	マラソン・ペトロリアム	1.38
OXY	オキシデンタル・ペトロリアム	1.28

国債ファンドの組み入れ比率は日々数％レベルで増減しており、運用上の調整がされているのだと思います。

【それってなんなの？】
　※DGCXX、FGTXX … レバレッジETFには該当企業以外の銘柄が組み込まれる場合があり、この2銘柄は債券のファンドでレバレッジをかける為の担保となります。

　

XLEの構成銘柄【ERXのレバ無バージョンのETF】

ERXのベンチマークであるエネルギー・セレクト・セクター指数に連動するETFの”XLE”の構成銘柄です。
XLEにはレバレッジがかかっていません。

ティッカーシンボル	企業名	組み入れ比率[%]
XOM	エクソンモービル	23.13
CVX	シェブロン	19.34
COP	コノコフィリップス	4.60
SLB	シュルンベルジェ	4.59
PXD	パイオニア・ナチュラル・リソーシズ	4.57
EOG	EOGシリーズ	4.43
MPC	マラソン・ペトロリアム	4.01
OXY	オキシデンタル・ペトロリアム	3.71
DVN	デボン・エナジー	3.49
PSX	フィリップス66	3.38

組み入れ銘柄数は21と少なめです。
組み入れ比率は、XOMとCVXの2社で40％を超えており偏りがあります。
また上位10銘柄で75%を超えています。

このXLEにレバレッジ2倍をかけているのがERXです。

ERXの株価推移

　

2022年現在、アメリカのQT(量的引き締め)政策及び金利上昇により米国株の全面安となっています。

ERXにおいては、2022年は上昇局面となりました。
年初よりウクライナ情勢の変化にてロシアの原油輸出の制限もあり、原油価格の急騰がありました。
その影響を受けエネルギー関連企業の業績は向上することが予想され買われた形となります。

コロナショックの際には3ヶ月間で価格が-90％を下回るというほどの下落に見舞われ、その影響もありレバレッジが3倍から2倍へ変更されました。

【それってなんなの？】
　※QE= 量的緩和 … 中央銀行が市場から国債などを買い入れて市場に資金を供給する。デフレの脱却や景気を刺激することを目的として行う。
　※QT＝量的引き締め … 保有資産（国債など）を売却しQEによって市場に流した資金を回収する。インフレの抑制、景気の抑制を目的として行う。

　

ERXのリターン

ERXのリターンをみていきましょう。
リターンはトータルと算術平均と幾何平均を調べました。

【それってなんなの？】
　※算術平均リターン … 一定期間の平均リターン。例：1年、3年、5年、10年など期間を定めその期間中の年率平均を求める。期間毎の平均増減率がわかる。
　※幾何平均リターン … 一定期間ごとのリターンを掛け合わせて算出する。複利運用した場合の資産の”伸び率”の期間平均がわかる。

　

	トータルリターン	算術平均リターン(年率)	幾何平均リターン(年率)
1年	104.9%	104.9%	-87.0%
3年	-54.4%	72.7%	-38.4%
5年	-80.0%	36.8%	-40.1%
10年	-89.0%	–	–
設定来	-89.0%	15.3%	-35.0%

2020年4月にレバレッジが3倍から2倍へ変更されていますので、正当な評価はできません。
コロナショックがあった2020年1月～3月ではパフォーマンスが-90%を超えており著しく価格が動きました。

レバレッジ3倍時代の2011年から2014年では高値と安値を確認すると、ー70%ののち＋400％になるなど価格の変動が激しい銘柄です。

ERXに投資するメリット / デメリット

ERXに投資する前に特徴を知っておきましょう。

日々の変動が激しい

ERXはレバレッジ2倍ETFなので日々の値動きが激しくなります。

ティッカーシンボル	レバレッジ	平均変動率(各ETFの設定来から現在まで)
ERX	2倍	3.56%
TECL	3倍	2.79%
SPXL	3倍	2.32%
QQQ	無	1.17%
SPY	無	0.79%

日々の平均変動率を調べてみました。
2020年4月のレバレッジ2倍に変更後の数値より算出しています。

ERXの日々の平均変動率は3.56％で他のレバレッジ3倍ETFと比べても大きく、エネルギーセクター自体の変動が激しいことがわかります。
他のレバレッジETFよりも逓減・逓増の程度が大きいと考えられます。

エネルギーセクターにレバレッジをかけるなら短期間保有が前提

変動幅が大きいほど日々資産の変動が起こるので、そのことにストレスを感じてしまう方はレバレッジETFはおすすめできません。

ERXは米国のエネルギーセクターにレバレッジをかけたETFです。
世界の情勢により原油価格は大幅に変動します。
原油価格に影響を受けるエネルギー関連企業の株価もまた変動が激しくなります。

ERXに投資をするなら値上がりが期待できるタイミングでの短期保有が良いでしょう。

経費率が高め

レバレッジETFは経費率が比較的高めに設定されています。

ティッカー	レバレッジ	経費率
ERX	2倍	0.95 %
SOXL	3倍	0.95 %
SPXL	3倍	0.95 %
QQQ	無	0.20 %
SPY	無	0.09 %

経費率が低いことに越したことはないですが、上昇幅に目をつむって比較しても意味がありません。
短期保有が前提ならば、高い経費率でも問題ないと考えて差し支えないと思います。

　

ERXの長期積立投資における可能性は？

ERXの長期積立投資は資産形成として有効なのかに関してです。

通常レバレッジをかけた商品は長期投資向きではないとされています。
それはなぜかというと、逓減リスクがある為と早期償還リスクが高いと言われているからです。

ERXに関しては、レバレッジETFの中でも激しい値動きとなっています。よって逓減逓増の程度が大きくなります。
またエネルギーセクター自体が長期的な成長を期待できるセクターではないため、タイミングを見計らっての短期投資がおすすめです。

ERXの逓減リスクは？

レバレッジETFは日々の変動にレバレッジをかけるものです。
そのため下落中やレンジ相場のような場合には逓減してしまいます。
そして元の株価に戻るまでの時間が、ベンチマークしているインデックスよりも遅いという特徴があります。

レバレッジETFに逓減がある以上、この逓減を相殺するような上昇パフォーマンスが必要ということです。

ERXにおいては、日々の変動幅が大きいため逓減の程度も大きいです。

ERXの早期償還リスクは？

ETFには多かれ少なかれ早期償還リスクがあります。

レバレッジETFは通常のETFと比べて早期償還リスクが高いとされていて、主な理由は運用上のコストが見合わないという理由です。

ETFの運用会社が運用をやめない限りは投資・保有ができます。

ERXはセクター別のレバレッジETFとして存在理由がありますが、レバレッジが3倍から2倍へ変更された経歴があります。
レバレッジ2倍での運用でも運用会社の採算が合わない可能性も考えなくてはなりません。

ERXに投資しよう！投資する方法は？

SBI証券

SBI証券はネット証券国内株式個人取引シェア１位の人気のネット証券です。

2022年9月時点で6000以上の銘柄の米国株式を取り扱っています。

ERXはもちろん、多数の米国レバレッジETFを取り扱っているので、レバレッジETFを中心に投資したい人にはおすすめな証券会社です。

DMM株

DMM株は、DMMグループが運営する証券会社です。

なんと米国株の取引手数料が無料！

米国株をメインに投資をするならDMM株がおすすめです。
2022年9月時点で2117の銘柄の米国株式を取り扱っています。

ERXもDMM株で買うことが出来ます。

楽天証券

楽天証券は楽天グループの一員で、楽天カードや楽天銀行などの提携があり、ポイントを使用した投資ができるなど楽天愛好家にはとてもおすすめな証券会社です。

2022年9月時点で4600以上の銘柄の米国株式を取り扱っています。

楽天ポイントを使った投資ができることで自己資金を抑えながら投資ができます。
また楽天銀行との連携により銀行残高から直接買い付けができるので、資金管理が簡単になっていて大変便利です。

数あるネット証券の中でもサイト構成がわかりやすく、購入時の手軽さも魅力の一つです。