“SPXL”とは？株価や構成銘柄などわかりやすく説明！【S&P500指数のレバレッジ3倍】

このようなお悩みを解決します。

SPXLはアメリカのDirexion社が運用するETFで、S&P500指数をベンチマークにして構成されています。
近年までの米経済の成長により好パフォーマンスでしたが、今後も良いパフォーマンスとなるのでしょうか？

この記事では、SPXLに投資するうえで知っておきたい基礎情報について、構成銘柄・ベンチマーク・配当利回りを踏まえて丁寧に解説します。

SPXLとは？

SPXLとは、米国のレバレッジ型ETFでS&P500指数をベンチマークとしたレバレッジ3倍ETFです。

【それってなんなの？】
　※ETF …「Exchange Traded Funds」上場投資信託の略。多数の株式銘柄で構成される投資信託を上場させ通常の株式のように取引できるようにしたもの。分散投資効果が得られる。様々な投資コンセプトの商品がある。
　※レバレッジ型ETF … ベンチマークした指数やETFの日次変動率にレバレッジを掛けた値動きをするよう調整したETF。レバレッジ2倍もしくは3倍を掛けた商品が多い。一般的に通常のETFと比べて逓減リスクがあり早期償還リスクが高まる。

　

まずはSPXLの基本情報です。

	SPXLの基本情報
名称	Direxion Daily S&P 500 Bull 3X Shares
運用会社	Direxion
ベンチマーク	S&P500 Index
経費率	0.95%
総資産額	22.89億ドル
設定日	2008年11月5日
取扱証券会社	SBI証券、DMM株、マネックス証券、楽天証券、他

SPXLはレバレッジ・インバース型のETFを主力とするDirexion社によって運用されています。

SPXLのほかにも、TECL（情報技術セクター指数のレバ3倍）やSOXL（ICE半導体指数のレバ3倍）などのレバレッジETFを運用しています。

レバレッジETFということで0.95%と比較的高い経費率になっています。

S&P500に連動するということもあり、総資産額が大きくレバレッジETFの中でも安定感があります。

　

SPXLの構成銘柄

SPXLの構成銘柄です。
基本的にはベンチマークであるS&P500指数と同様ですが、レバレッジをかけるための担保となる債権ファンドが組み入れられています。　

ティッカーシンボル	企業名	組み入れ比率[%]
FITXX	Goldman Sachs Financial Square Funds	8.42
DGCXX	Dreyfus Government Cash Mana	5.85
DIRXX	Dreyfus Treasury Securities Cash Management	2.39
FGTXX	Goldman Sachs Financial Square Government Fund	1.96
AAPL	アップル	0.94
MSFT	マイクロソフト	0.79
AMZN	アマゾンドットコム	0.46
TSLA	テスラ	0.28
GOOGL	アルファベット	0.26
GOOG	アルファベット	0.23

国債ファンドの組み入れ比率は日々数％レベルで増減しており、運用上の調整がされているのだと思います。

【それってなんなの？】
　※DGCXX、DIRXX、FITXX、FGTXX … レバレッジETFには該当企業以外の銘柄が組み込まれる場合があり、この4銘柄は国債のファンドでレバレッジをかける為の担保となります。

　

SPXLは米国の代表的経済指数のS&P500指数にレバレッジ3倍をかけています。
S&P500に連動するのでとても人気のあるETFです。

SPXLの株価推移

　

2022年現在アメリカのQT(量的引き締め)政策及び金利上昇により景気後退の懸念があり、米国株指数は軒並み下げており、SPXLももろに影響を受けています。

【それってなんなの？】
　※QE=量的緩和 … 中央銀行が市場から国債などを買い入れて市場に資金を供給する。デフレの脱却や景気を刺激することを目的として行う。
　※QT＝量的引き締め … 保有資産（国債など）を売却しQEによって市場に流した資金を回収する。インフレの抑制、景気の抑制を目的として行う。

　

過去チャートでは、2022年1月4日の高値で147.8＄を付け最高値となっています。

設定来から見るとおおよそ38倍まで価格が上昇しています。100万円を一括投資していると3800万円になっている計算です。(為替考慮無し)

SPXLのリターン

SPXLのリターンをみていきましょう。
リターンはトータルと算術平均と幾何平均を調べました。

【それってなんなの？】
　※算術平均リターン … 一定期間の平均リターン。例：1年、3年、5年、10年など期間を定めその期間中の年率平均を求める。期間毎の平均増減率がわかる。
　※幾何平均リターン … 一定期間ごとのリターンを掛け合わせて算出する。複利運用した場合の資産の”伸び率”の期間平均がわかる。

　

	トータルリターン	算術平均リターン(年率)	幾何平均リターン(年率)
1年	-51.2%	-51.2%	-51.2%
3年	16.2%	23.5%	5.1%
5年	40.8%	18.9%	7.1%
10年	636%	29.9%	22.1%
設定来	1445%	28.2%	21.7%

直近の１年リターンをみると５割近く下げています。レバレッジがかかっていることもあり、変動が激しいですね。

この10年米国株が堅調だったこともあり、長期の幾何平均リターンを見ると22％程度となっています。
1年あたり2割近く資産が伸び続けていくと考えると凄すぎますね。しかしこれがSPXLの実力です。

今後の米国株全体の成長を期待するのであれば長期投資も可能な銘柄だと言えます。

SPXLに投資するメリット / デメリット

TECLに投資する前に特徴を知っておきましょう。

日々の変動が激しい

SPXLはレバレッジ3倍ETFなので日々の値動きが激しいです。

ティッカーシンボル	平均変動率(各ETFの設定来から現在まで)
SPXL	2.32%
QQQ	1.17%
SPY	0.79%

日々の平均変動率を調べてみました。

ナスダック100指数に連動するQQQは1.17%程度、S&P500に連動するSPYは0.79%です。
それに対しSPXLは2.79%と、レバレッジをかけるorかけないという視点で見ると、やはりレバレッジをかけた方が変動幅が大きいことがわかります。

S&P500に期待する人はレバレッジをかけてみても良いかも

変動幅が大きいほど日々資産の変動が起こるということで、そのことにストレスを感じてしまう方はレバレッジETFはおすすめできません。

逆に言うと、長期トレンドを信じて短期の変動を気にしない人であれば、SPXLという米国の代表的株価指数にレバレッジをかけるETFはとてもおすすめの銘柄だと言えます。

少額から投資できて、高リターンを期待できる

SPXLの現在価格は1株あたり61.94＄で日本円にすると9,000円程度です。

小額なので投資しやすく、これまでのパフォーマンスとS&P500という指数の特徴から見ても高リターンを期待できると言えます。

投資は時間経過がリターンに現れてきますので、とりあえず保有しておくことは重要だと思います。
日本株のように10万円以上の単位でしか購入できないような銘柄よりも取り扱いやすいです。

経費率が高め

レバレッジETFは経費率が比較的高めに設定されています。

ティッカー	レバレッジ	経費率
SPXL	3倍	0.95 %
SOXL	3倍	0.95 %
TECL	3倍	0.95 %
QQQ	無	0.20 %
SPY	無	0.09 %

経費率が低いことに越したことはないですが、上昇幅に目をつむって比較しても意味がありません。
長期で見ても高いパフォーマンスを誇るレバレッジETFであれば、高い経費率でも問題ないと考えて差し支えないと思います。

とはいっても日々の変動幅が大きいため、保有のストレスに耐えられない＆高い経費率が気になる人は短期保有の銘柄として考えることをおすすめします。

SPXLの長期積立投資における可能性は？

SPXLの長期積立投資は資産形成として有効なのかに関してです。

通常レバレッジをかけた商品は長期投資向きではないとされています。
それはなぜかというと、逓減リスクがある為と早期償還リスクが高いと言われているからです。

しかしSPXLはS&P500指数をベンチマークとしているということで今後も値上がりが期待できるため、レバレッジをかけるのはとても理にかなっていると言えます。

SPXLの逓減リスクは？

レバレッジETFは日々の変動にレバレッジをかけるものです。
そのため下落中やレンジ相場のような場合には逓減してしまいます。
そして元の株価に戻るまでの時間が、ベンチマークしているインデックスよりも遅いという特徴があります。

レバレッジETFに逓減がある以上、この逓減を相殺するような上昇パフォーマンスが必要ということです。
過去チャートを見ると、現在までは下落したとしてもそれを上回る上昇をみせていますので、これまではレバレッジETFだとしても長期投資として十分活用できたということです。

これから先、成長が期待できるS&P500指数に投資するSPXLであれば、今後も逓減を上回る高いパフォーマンスが得られるだろうと推測できます。

SPXLの早期償還リスクは？

ETFには多かれ少なかれ早期償還リスクがあります。
どんな金融商品にもあるものです。

レバレッジETFは通常のETFと比べて早期償還リスクが高いとされていて、主な理由は運用上のコストが見合わないという理由です。

ETFの運用会社が運用をやめない限りは投資・保有ができます。
SPXLに関しては米国の代表的指数ですのでDirexion社が運用をやめることはまずないと思われます。

そのため早期償還リスクを理由にSPXLを諦めるのはナンセンスといえます。

SPXLに投資しよう！投資する方法は？

SBI証券

SBI証券はネット証券国内株式個人取引シェア１位の人気のネット証券です。

2022年9月時点で6000以上の銘柄の米国株式を取り扱っています。

TECLはもちろん、多数の米国レバレッジETFを取り扱っているので、レバレッジETFを中心に投資したい人にはおすすめな証券会社です。

DMM株

DMM株は、DMMグループが運営する証券会社です。

なんと米国株の取引手数料が無料！

米国株をメインに投資をするならDMM株がおすすめです。
2022年9月時点で2117の銘柄の米国株式を取り扱っています。

TECLもDMM株で買うことが出来ます。

楽天証券

楽天証券は楽天グループの一員で、楽天カードや楽天銀行などの提携があり、ポイントを使用した投資ができるなど楽天愛好家にはとてもおすすめな証券会社です。

2022年9月時点で4600以上の銘柄の米国株式を取り扱っています。

楽天ポイントを使った投資ができることで自己資金を抑えながら投資ができます。
また楽天銀行との連携により銀行残高から直接買い付けができるので、資金管理が簡単になっていて大変便利です。

数あるネット証券の中でもサイト構成がわかりやすく、購入時の手軽さも魅力の一つです。