レバレッジETFとは?通常のETFと何が違う?


この記事ではレバレッジETFについて詳しく説明していきます。

筆者のメイン投資対象のレバレッジETFとは何なのか、通常のETFとは何が違うのか。
レバレッジETFへ投資するメリット&デメリットも踏まえ、投資先の銘柄選びについても説明します。

目次

ETFってなに?

レバレッジETFを知る前に、ETFとは何のことか知っていますか?
ETFとは「上場投資信託 (Exchange Traded Funds)」のことで、証券取引所を通じて取引する投資信託のことです。

通常の投資信託では証券取引所を通さずに1日毎に決定される基準価格で売買しますが、ETFは株式と同様に市場の取引時間中の変動する価格で売買することとなります。

ETF(上場投資信託)投資信託株式
投資できるもの株式・指数(インデックス)・債権・コモディティ・REITなど 株式・指数(インデックス)・債権・コモディティ・REITなど上場株式
取得価格変動価格基準価格変動価格
売買単位商品によって異なる
(1口から買えるものもある)
100円などの少額から可能基本的に日本株であれば100株毎、海外株であれば1株毎
信託報酬基本的に投資信託よりは低いETFより高めなし

ETFは投資信託みたく100円~で買えるというわけではなく、株式のように口数で買うことになります。
投資信託と比べると信託報酬は安いです。

レバレッジETFってなに?

レバレッジETFとは、ETFの日次変動率レバレッジをかけた商品のことです。

レバレッジは「てこ」の意味で、小さな力が大きな力へ変換できるということです。
つまり、どういうことでしょうか。

このレバレッジETFの「レバレッジ」の意味ですが、ETFの価格は市場が開いている間は常に変動しており、その変動に対してレバレッジをかけているということになります。

つまり、基準となる指数やETFの価格変動をより大きくした商品をレバレッジETFと言います。

レバレッジ2倍ETFを例にあげてかんがえてみましょう。

基準となるETFがその日の変動で+10%だったとしましょう。
するとレバレッジ2倍ETFでは+20%の変動となります。

逆に基準となるETFがその日-10%だったとしましょう。
するとレバレッジ2倍ETFでは-20%の変動となります。

※あくまでレバレッジ〇倍の運用を”目指す”ということなので、きっちりその倍率になるわけではなく近しいパフォーマンスとなる。

日次変動に倍率がかかるということに注意!

レバレッジETFは日次変動率にレバレッジがかかっています。

“1日限定”で考えればレバレッジの倍率分の変動をしてくれるのですが、2日以上のトータルパフォーマンスでみるとレバレッジの倍率通りの変動にはなっていません。

さてどういうことなのか図で詳しく説明していきます。

連続上昇した場合

まずは連続で上昇した場合を考えてみます。

レバレッジ無しのETFが毎日5%上昇した場合、4日目には21%ほど上昇していることになります。
一方レバレッジ2倍であれば46%、3倍であれば75%の上昇になっています。

4日目時点でのトータルリターンをみるとレバ無に比べてレバ2倍・レバ3倍はパフォーマンスそのものが2倍や3倍になっているわけではないのです。

連続下落した場合

では連続で下落した場合どうでしょうか。

レバレッジ無しのETFが毎日5%下落した場合、4日目には-19%ほどになっています。
一方レバレッジ2倍は-34%、3倍であれば-48%ほどの下落になります。

トータルパフォーマンスはレバレッジの倍率とは違ってますね。

上昇と下落を繰り返した場合

ここでレバレッジETFで最も重要なポイントが、上昇と下落を繰り返した場合です。
相場では上昇と下落を繰り返す場合が多いですからしっかり理解しておきましょう。

上昇と下降を繰り返した場合、レバ無しに比べてレバ有りは下落しています。
4日目にレバ無は99.5で基準の100をほぼ維持しているのですが、レバ有りだと100に戻らず下の価格になってしまいます。上昇と下落を繰り返す場合、レバ無のトータルパフォーマンスが±0%だとしても、レバ有だと必ずマイナスになってしまうということですね。

例を二つ挙げます。
連続上昇後に基準に戻った場合と、連続下落後に基準に戻った場合です。

どちらの場合でも、レバ無のトータルパフォーマンスが±0%だったとしても、レバレッジをかけていれば必ずマイナスのパフォーマンスになってしまいます。

  • 日次変動率にレバレッジがかかる
  • トータルリターンとレバレッジの倍率は無関係
  • 基準となるレバ無のETFが元の価格に戻っても、レバ有は元に戻らずマイナスのパフォーマンスになる
  • レバレッジETFは右肩上がりの上昇相場でとても有効

通常ETFvsレバ有ETFの積立投資検証を行いましたので是非ご覧ください↓

レバレッジETFのリスクやデメリット

先ほど説明したように、レバレッジ商品はレバレッジ無が基準に戻ってもレバレッジ有は基準より下回るといった特徴を持っています。これを一般に低減リスクと言います。

レバレッジ商品には通常の商品と比べてリスクやデメリットが他にもあるのでしっかり理解していきましょう。

レバレッジETFのリスク・デメリットを見ていきましょう。

  • 流動性リスク
  • 早期償還リスク
  • レバ無と比べて経費率が高い
  • 配当金が少ない、もしくは無い

1つずつ説明していきます。

流動性リスク

レバレッジETFは基準のETFと比較して流動性が悪くなる傾向にあります。
レバレッジETFを取引する人が少なくなると流動性が悪くなり、レバレッジの倍率通りの価格変動にならない可能性があるということです。

取引自体が少なくなると価格変動に追随できなくなり、もしレバレッジ通りに動かなければ投資妙味が少なくなりますね。

基本的に純資産額が大きな銘柄であれば市場に出回っている数量が大きいため問題ないですが、暴落時などで流動性に乱れが生じてくる可能性は存在します。

 

早期償還リスク

通常のETFと比較すると、レバレッジETFは早期償還リスクが高いと言えます。

運用会社の思うように資金が集まらなかったり採算が合わない場合は、ETFの早期償還が行われることがあります。レバレッジETFではよりその可能性が高くなると考えられます。

実際に2020年のコロナショックの影響で、早期償還に至った商品があります。

これも純資産額が大きい銘柄=人気の銘柄であれば、運用会社が手数料等の収益を得て運用を続けられますから、SPXLなどの需要が高い商品であれば早期償還のリスクは低いと考えられます。

 

レバ無と比べて経費率が高い

レバレッジETFの場合、通常のETFと比較して経費率が高いです。
レバレッジETFに投資する際には値上がり益を狙って投資すると思いますので、気になるのであれば通常のETFに投資するべきですね。

配当金が少ない、もしくはない

配当金は無い銘柄が多いです。
レバレッジETFは値上がり益を狙うために投資する商品であるため、あまり気にする必要はないと思います。

レバレッジETFの運用方法

短期投資がおすすめ

レバレッジETFのメリットは、レバレッジ無ETFと比べて価格上昇時のパフォーマンスが格段に良くなるという点です。

あるセクターがこれから伸びるぞ!という時に投資効率を上げたいといった場合や、リスクヘッジに利用するのが一般的です。

長期投資は覚悟を持って

短期投資じゃつまんないじゃないか!といった人は、覚悟を持って長期投資に臨みましょう。
私自身は、通常のETF投資よりも莫大に資産が築けるという点で面白みを感じてレバレッジETFの長期投資を行っています。レバレッジETFのリスクについても十分に理解しているつもりです。

一番やってはいけないのが、暴落中に不安になり手放してしまうことですので一番重要なのは覚悟をもつことだと思っています。

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